2020年2月18日火曜日
【教育】学力が危ない 教育の再生を求めて
閲覧ありがとうございます。
ライターの Minem です。
ここでは数学者の上野健爾 先生の2001年の京都講演の内容をピックアップして紹介していきます。
講演全文はコチラ → リンク (京都教育センターHP)
① 考えることは当たり前
――― 私たちの世代の経験から言えば高校時代などに、わからない問題があったら、少なくとも1週間は考えることが普通だった。絶対に解答は見ないし、自分で何がなんでも考える。そうすると、友だちがいじわるをして、わざと答えを言う。私は悔しいので、それと違う解答を一生懸命考える。「ほら、こんなおもしろいのができたよ」と言って、逆にその友だちにやり返す。
ところが彼らは一晩なんて考えたことない。1時間も考えたら大変だ。だって「その間に、友だちはどんどん問題を解いていくかもしれない」と、不安でしようがない。
宿題でも何でもなくて「時間があるときに考えてみて、途中まででもいいから出してくれれば添削して返します」という形で問題を出しました。そうすると、喜んで考えてくる。本当に1か月、2か月かかって、「先生、ずっと前に出された問題だけど、見てくれますか」と出してくれます。最後までできてない答えもありますが、多くの人が最後まで自分なりに考えてやっています。―――
わからなくても考えることは必要です。興味なさそうな友人を横目に、次の日、目をこすってでも友人を見返してやる、そんな努力は必ず報われるからです。
② 大学は自分の勉強したいことを学ぶ場所
小学校や中学校、高校とは異なって、大学では自分で学びたいことを勉強できます。その中には、英語やドイツ語でしか出版されていない本の内容や、まだ本にもなっていないような高度の内容が含まれます。本を見てもわからないような内容を勉強したいのであれば、自分で考えるしかありません。数学は、数千年かけて成長してきた分野です。仮に少数や分数であっても、普及してきたのはここ数百年のことです。新しいことは、そう早くは実らないかもしれませんが、時間をかけてでも、どれだけ厳しくても、立ち向かう姿勢は崩さないようにしましょう。
③ 本当のことは何か
―――いま、「π」すなわち円周率を「3」にするか「3.14」にするかで大騒ぎしていますが、私は両方ともおかしいと思います。本当に言わなければいけないのは、円周率というのは「3.14159……」と無限に続く数だということです。そういうふうに無限に続く数のあることを、私たちにはわかることができるということを知ることが大切なのです。
このように、小学校でやっている算数にしても、人類が何千年かかってやっとわかった、非常に深いことが教科書に出ている。だから、小学生がやって難しいと思うのは当たり前だし、疑問に思うのは当たり前です。たとえば、小学校の理科で乾電池が出た場合、2個しか使ってはいけないとか、月の変化は三つしか記してはいけないとか、そう書いてあります。そんなバカなことはない。だって、空を見ていれば月は刻々と変わっているのですから、三つですべて表現できることではないわけです。―――
本当のことを見抜きましょう。また、教える側は本当のことを教えましょう。当然教える側は、こうすればこうなる、ああすればああなると、幅広く知識を持っていなければいけません。
この講演から、学ぶことや考えること、教育に対する姿勢に関する重要なことを学ぶことができます。また、ここでは取り上げなかったグローバル社会や環境問題などについても触れられております。講演全文はページ上部にリンクとして貼付しておきました。
上野 健爾(うえの けんじ、1945年12月11日[1] - )は、日本の数学者。四日市大学関孝和数学研究所長、法政大学大学院工学研究科教授、日本数学協会会長、京都大学名誉教授。専門は複素多様体論。学力低下問題を中心に数学教育の問題にも言及している。 1945年熊本県生まれ。1968年東京大学理学部数学科卒業。著書に、『代数幾何 岩波講座応用数学』、『円周率πをめぐって』、『複素数の世界』、『円周率が歩んだ道』などがある。 (Wikipediaより)
ライター; Minem
(e-mail: minemengineering@gmail.com)
Twitter → @Minem_eng
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