2016年12月24日土曜日

電界と電位の関係(E = -grad V)

電界と電位には
E = -grad V
という関係式があります。この式はどんな電界にもあてはまります。

電界はベクトル量なのでEのように太字で書きます。
電位はスカラ量なので普通にVと書きます。
教科書には電位はよく φ(x,y,z) や φ(r) のように書かれていますが、ここではVとします。
「電位を微分してマイナス倍してベクトルにすると電界になる」
というのが E = grad V の意味です。

「電位を微分してマイナス倍したら電界」
と少し簡単に書けば少しわかりやすいかもしれないです。
電界 E(x,y,z) を単にE として
電界 E が電荷 q に与える力 F
F = qE
でありこれは保存力である。保存力がする仕事は経路によらずに一定である。最短距離で行っても道草をくってからゆっくり行っても仕事量は同じということです。

電位 V (x,y,z) を今はV として
電位V にある電荷q がもつエネルギーU は
U = qV
と定義されます。
このように電界は力と、電位はエネルギーと電荷q倍の関係あることがわかります。
また、力とエネルギーは仕事 によって結び付けられます。
した仕事 W として仕事W は
W ≡ ∫ F・dr

と、力ベクトルと微小方向ベクトルとの内積のシグマで定義されます。
これを用いて、電界と電位には関係があることを調べていきます。

電荷 q (>0) を電界 E に逆らって、電位 V の位置まで運ぶのに電界がする仕事は

W = - ∫ F・dr
    = -q ∫ E・dr      (区間省略)

と表せる。電界に逆らって動くので外力がする仕事は正、電界がする仕事は負(仕事される)。
無限遠の電位を 0 と定める。すると電位差は ΔV = V - 0 = V である。
エネルギー差 ΔUとすると
ΔU = q・ΔV = qV

また、エネルギー差はした仕事に等しいので ΔU = W
値を代入して W = qV

W = -q ∫ E・dr    を代入すると

- q ∫ E・dr  =  qV      ここで q をはらうと
E・dr = -V   が得られる。

ベクトルのことを考えて両辺を微分すると
E = -grad V

マイナスがつくことです。
またgrad は、gradientの略のスカラにかかってベクトルを出力するような微分演算子であります。
スカラ関数 V(x,y,z) に対してベクトル関数 E(x,y,z)は
E = - (∂V/∂x , ∂V/∂y , ∂V/∂z)   である。
gradientは微分してベクトルの成分の(,,)にそれぞれつっこめばいいとよく習います。

少し考えると
電位 0  ↔   電界 0
電界 0   ↔   電位は定数   がわかります。
また、一様電界の場合は V = Ed が成り立ちます。
E を定数として積分すれば V = -Ex + C
とマイナス倍されていますが、絶対値をとればそれっぽい式になります。

電位がわかれば電界がわかる、電界がわかれば力がわかる。
電界がわかれば電位がわかる、電位がわかればエネルギーがわかる。
電界は力に、電位はエナルギーに関係した量で、密接に繋がっています。

一つ注意しなければいけないのは、例えばこの点の電位が60[V]だったからこの点の電界の大きさは微分して -(60)' = 0 とはなりません。あくまでも電位の関数を微分してからなにかしらの値をつっこんで電界を得る必要があります。


例題はコチラ
E = -grad V を用いる例題